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休園期間中のクロマグロたち
 └─2020/06/16

 新型コロナウイルス感染症拡大防止のための臨時休園が始まってから約3か月半が経ちました。静まり返る園内の雰囲気にもようやく慣れてきましたが、6月23日から再開園することが決まりました(お知らせ)。この間、みなさんも外出を控えるなど、さまざまな方法で感染拡大防止に努められたのではないでしょうか。

 休園期間中、飼育係は一日あたりの出勤人数を減らし、交代で勤務しているため、バタバタと忙しく過ごしています。一方、クロマグロは、あわただしく作業をする飼育係をよそに、変わりなく過ごしているように見えます。えさの時間も水しぶきを上げながら、アジやイカ、イワシなど計70kgほどを勢いよく食べています。再開園の際には元気なクロマグロに会いに来てください!


【動画】休園期間中のクロマグロ

 飼育係にとっては慣れない長期休園ですが、ふだんよりじっくりクロマグロを観察できるよい機会にもなりました。えさやりは2人1組で無線連絡を取り合いながらおこないます。1人は水槽の上からえさを与え、もう1人は水槽前からクロマグロのようすを観察して給餌のタイミングを指示する、というように役割を分担しています。これは、水槽の上から見ていても、水面が揺れたり水しぶきが飛んできたりするのでクロマグロがえさをきちんと食べられているか見えないからです。

 ふだんは水槽前で来園者に解説しながら無線で指示をしているため、連絡は一言で簡潔におこないます。しかし、休園期間中は解説の必要がないため、クロマグロの観察に集中できるため、より細かく指示を出す余裕があります。たとえば、「5歳のクロマグロが水面近くでえさを食べきってしまうので、下の方で待っている1歳にも行き渡るようにもどんどん入れてください!」「今日はイカの人気がないので、イカを入れるスピードを落として少しずつ食べさせます!」など、ふだんよりもお互いのコミュニケーションを取りながら給餌できるため、より確実に食べてほしいと狙ったクロマグロにえさが行き渡るようになりました。

 園内のBGMも止まり、来園者の歓声もない静かな空間でおこなうえさやりは寂しいのですが、クロマグロたちがスピードを上げて水を切って泳ぎ、お互いの体をかすめる音が響き、いつもとは違う迫力を感じます。

 現在、来園者の方々を再び迎え入れる準備を進めています。また、活気ある声が響く園内でみなさんにお会いできるのを水族園スタッフ一同楽しみにしております。


【動画】水族園公式Twitterで公開中のクロマグロ給餌のようす

 臨時休園期間中の生物たちのようすは、葛西臨海水族園公式Twitter(@KasaiSuizokuen)でお伝えしています。「#おうちでかさりん」のハッシュタグでぜひ検索してみてください。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 石神まゆか〕

(2020年06月16日)



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