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すくすく成長中のイタチザメ
 └─2020/05/08

 葛西臨海水族園「世界の海」エリアの「大洋の航海者マグロ」水槽では、メジロザメ科のイタチザメを展示しています。イタチザメは世界中の温帯域から熱帯域にかけてさまざまな海に広く生息し、大きさは成熟したもので全長2〜3mといわれています。数少ない例ですが7m以上、体重は800kg以上の個体も確認されています。

 体の模様が哺乳類のトラの模様に似ていることから、英名では tiger shark(タイガーシャーク)と呼ばれ、サバの背中の模様に似ていることから地方によってはサバブカ(鯖鱶)とも呼ばれます。鱶(フカ)は大型のサメを指し、「フカヒレ」と言えばみなさんにもなじみがありますね。

 選り好みせずなんでも食べる大食漢で、海では魚類の他にも海鳥、クジラやアシカといった哺乳類、さらにはウミガメやウミヘビなどの爬虫類まで食べるとされています。


 水族園には昨年(2019年)11月15日に搬入されました。このときの全長は約90cmの大きさです。搬入直後は壁やアクリルガラスに体を擦るようにしながら泳いでいましたが、数日すると水流が強い場所で落ち着き、流れに逆らうように泳ぐようになりました。このことからイタチザメの飼育には強い水流が重要と思われました。

 大食漢だと言われるものの、実際飼育してみると日によって食欲にむらがあることがわかり、摂餌した量を毎日記録し、給餌量を調節しています。大きい餌は食いちぎろうと首を振り、壁に頭を擦る危険があるため、アジは全長20cmほどのものをそのまま、サバは三枚におろした身の部分、イカは内臓とゲソを取り除いた胴の部分といったように、一口で食べられる大きさを与えています。また、えさは水槽にばらまくのではなく、壁から離れた場所でひとつずつ給餌用の棒を使って与えています。

 水族園へ搬入されて半年が経とうとしている現在、すくすくと順調に成長し、搬入した時の大きさより1.5倍の全長約140cmになりました。引き続きイタチザメの成長をご覧いただけるよう飼育係一丸となって頑張っていきます!

搬入当初
2020年5月

 現在、水族園では新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため臨時休園中ですが、水族園内の生き物たちをTwitterでお伝えしています。「#おうちでかさりん」のハッシュタグで検索してください。イタチザメもツイートに登場します。ぜひご覧ください。葛西臨海水族園の公式Twitterはこちらです

〔葛西臨海水族園飼育展示係 関啓汰〕

(2020年05月09日)



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