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子年に海鼠(ナマコ)を探してみよう!
 └─2020/01/03

 2020年は子年、十二支動物はネズミです! さてでは皆さん、海のネズミ、「海鼠」と書いて「ナマコ」と読むことはごぞんじでしょうか。ナマコの多くは夜行性で、夜になると海の中をネズミのように這い回ったり、ネズミの後ろ姿に似ていたりすることからこの漢字があてられたと言われています。

 そこで葛西臨海水族園で展示しているナマコをいくつかご紹介しましょう。まず「世界の海」エリアの「南アフリカ」水槽にいる小さな赤いナマコ、レッドチェステッドシーキューカンバーです。


 レッドチェステッドシーキューカンバーはキンコと呼ばれるナマコのなかまで、あまり動かず、「樹手」と呼ばれる触手を広げ、水中を漂うプランクトンや有機物をとらえ、口に運んで食べています。


 上の写真は「東京の海」エリアの特設展示「海のゆりかご」に新しく登場したオオイカリナマコです。肉眼では見えませんが、体表にある骨片と呼ばれる骨が錨の形をしていることが名前の由来です。まだら模様をしていて、まるでウミヘビのように見えますが、れっきとしたナマコの一種。長さはふつう1メートルくらいですが、大きくなると3メートル近くにもなります。

 そして最後に、ナマコと言えば次のような形を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。


 これは「世界の海」エリアの「地中海」水槽で展示しているコットンスピナーです。コットンスピナーとオオイカリナマコは泥の中の小さな生き物や有機物を砂ごと食べ、お腹の中で消化し、きれいになった砂粒を排泄します。写真のコットンスピナーを見ると連なった砂粒を排泄しているのがわかります。さらに、歩き回って砂底をかき混ぜてくれるので水槽底の表面がきれいに保たれます。
 このようにナマコは歩きながら食事をし、底砂をお掃除してくれるので「海の掃除屋さん」とも呼ばれます。飼育係にとっては水槽の底をきれいにしてくれるとてもありがたい存在なのです。

 今回ご紹介した3種以外にも、葛西臨海水族園では多くの水槽で様々なナマコを展示しています。子年を迎えた新年、ぜひ「海の鼠」を探してみませんか?

〔葛西臨海水族園飼育展示係 関啓汰〕

(2020年01月03日)


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