葛西臨海水族園では、障がいや病気、高齢などの理由で来園が難しい方々に「うみをとどける」移動水族館活動をおこなっています(
移動水族館のページはこちらです)。
一般の方に見てもらう機会が少ない移動水族館活動ですが、今回は「うみくる号」の展示をご紹介します。
活動中のうみくる号
「うみくる号」は全長約8メートルの中型トラックで、海をイメージさせるかわいらしいイラストが描かれています。荷台部分の両側には独立した2基の大型展示水槽を搭載しており、車の側面から生き物を観察できるしくみになっています。また、展示水槽はそれぞれ独立していて、簡単な濾過装置、そして水温をコントロールできる装置を装備しています。これらの装置を使って水槽ごとに異なる海域の生き物を展示することができます。現在は「サンゴ礁の海」と「東京湾」の2つの海域を展示テーマにしています。
「サンゴ礁の海」の水槽では、チョウチョウウオのなかまやツノダシなど、熱帯・亜熱帯にすむ色鮮やかな魚たちが観察できます。中でも、映画でおなじみのカクレクマノミやナンヨウハギは多くの参加者に人気があります。
ヒメジのなかまであるオジサンは、顎の下に名前の由来となったヒゲのように見える器官があります。これはヒゲではなく、えさの「味」がわかる感覚器官で、これを使ってえさを探しているようすを観察することができます。
オジサン。ヒゲのように伸びた感覚器官が特徴的
また、「東京湾」の水槽では、銀色に美しく輝くマアジが群れる姿や、夜行性のため昼間はパイプの中に隠れ顔だけをのぞかせているマアナゴ、底にいて目だけをキョロキョロさせているマコガレイなど、ふだんおいしく食べている身近な魚たちの生きた姿を観察することができます。水槽を見た参加者中からは、「昔釣ったことがある!」とか「きのうの夕食に出た」などの会話が聞こえてくることもあり、ご自身の体験と重ねながらご覧いただけているようです。
移動水族館は公共団体が主催する生き物や自然環境の普及を目的としたイベントに出展することがあります。2019年10月26日(土)9:00〜17:00は、豊洲市場でおこなわれるイベントに「うみくる号」が登場します。この機会にぜひ移動水族館を見に来てくださいね。詳しくは下記公式サイトをご覧ください。
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「豊フェス!!」公式サイト(主催:東京都、豊洲賑わい創出イベント実行委員会)
〔葛西臨海水族園教育普及係 服部詠一〕
(2019年09月27日)
(2019年10月08日:「豊フェス!!」公式サイト公開に伴い追記