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この孔、なあに?──気になる2つの孔
 └─2019/09/13

 葛西臨海水族園には、スタッフの解説を聞きながら、サメやエイを間近で観察し、さわることもできるコーナー「タッチンフィーリン」があります。この「タッチンフィーリン」でよく質問される「気になる2つの孔」について紹介します。


ネコザメの頭の横の切れ込み(鰓孔)

 まず1つめは、ネコザメの頭の横にある切れ込みのような孔です。「鰓孔」(えらあな)と呼ばれるこの孔の内側には名前のとおり鰓(えら)があります。魚が呼吸をするとき、この孔に水が出入りします。サメの鰓孔は多くの種では左右対称に5対ありますが、例外的に6対や7対ある種も知られています。

ホシエイは目の後ろに孔がある(噴水孔)
ホシエイの腹側

 2つめはホシエイの眼の後ろに開いている孔です。「これも鰓孔では?」と思った方がいらっしゃるかもしれませんが、この孔は「噴水孔」(ふんすいこう)と呼ばれています。噴水孔はエイや一部のサメに見られる孔で、やはり呼吸のために海水を取り込んでいます。よく見ると、開いたり閉じたりして水が出入りしているのがわかります。

 では、エイの鰓孔はどこにあるのでしょうか。じつは、体の下側、腹面にあります。ホシエイが壁に沿って泳いだときに水槽を横からのぞいてよく観察すると、サメと同じように5対の孔が開いているのがわかるでしょう。

 サメとエイは分類上とても近いなかまですが、鰓孔の位置の違いで見わけることができます。鰓孔が体の横にあるとサメ、体の下側にあるとエイです。「タッチンフィーリン」にいるサメやエイは体の形で簡単に見分けることができますが、中には見わけにくい種類もあります。「大洋の航海者 マグロ」水槽には、体の前方半分はエイのような平たい形、後方半分はサメのような細長い形をしたシノノメサカタザメがいます。


シノノメサカタザメ

 さて、サメとエイどちらでしょうか? ぜひ、実際に鰓孔を探して見わけてみてください。

〔葛西臨海水族園教育普及係 西川千春〕

(2019年09月13日)


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