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魚の「旬」とポークフィッシュ産卵への期待
 └─2019/06/07

 6月は梅雨の季節。ジメジメする中、気温も上がるため憂鬱な日々が続きます。そんな時期に脂がのって美味しくなる「旬の魚」がいます。関東沿岸ではマアジ、マイワシ、イサキ等の魚がその代表です。

 あまり知られていないかもしれませんが、イサキは「梅雨イサキ」と言われるほどこの時期に美味しくなります。イサキは産卵前の5月~6月にえさをたくさん食べて栄養をつけるので、この時期に旬を迎えるのです

ポークフィッシュ
採卵ネット(上から見たところ)

 葛西臨海水族園「世界の海」エリアの「ブラジル沿岸水槽」にもイサキのなかまがいます。北米のフロリダからブラジルの大西洋側やメキシコ湾等に生息するポークフィッシュです。ときどき歯をこすり合わせて豚の鳴き声のような音を出すことから「豚魚」という意味の名前がつけられました。

 この個体を実際に食べるわけにはいかないので味はわかりませんが、「梅雨イサキ」のように水槽内で旬を迎えている時期があるかもしれません。

 水族園の水槽の濾過槽には採卵ネットを設置し、卵が入るかどうか毎日チェックしています。採れた一部の卵は、繁殖のために隔離して孵化させたり、裏側ガイドツアーで来園者の方に見ていただいたりしています。ポークフィッシュがいる水槽の採卵ネットにも卵が入りますが、どの魚が産卵しているのか確認できていません。

 今後、採卵ネットに入った卵がポークフィッシュのものなのか調べるため、孵化させて育成してみるつもりです。でもいつ卵が入るのかわからないので、まずは産卵が疑われる(?)“怪しい行動”に注目していきたいと思います。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 柳下悠〕

(2019年06月07日)


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