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移動水族館、元気な生き物たちをとどけるための工夫
 └─2019/05/10

 葛西臨海水族園では、障がいや病気、高齢などの理由で来園が難しい方々に「うみをとどける」移動水族館を実施しています。

 活躍するのは「うみくる号」と「いそくる号」という2台の専用車両です。「うみくる号」は2基の大型水槽を搭載した全長約8メートルの中型トラックで、車体の両側から水槽内の生き物が観察できます。一方の水槽にはカクレクマノミやツノダシなど、熱帯のサンゴ礁に生息するカラフルな魚たち、もう一方にはマアジやマアナゴなど、東京湾に生息し、私たちの食卓にものぼる身近な魚たちを展示しています。

楽しいイラストが描かれた「うみくる号」で
「うみ」をとどけます
大人気のふれあいプログラム。
海の生き物はどんな感触かな?

 「いそくる号」はバンタイプのワゴン車で、ふれあいプログラム用のウニやヒトデ、カニ、ヤドカリなどの生き物や機材に加え、活動のスタッフも運びます。

 活動の主役となる生き物たちは、水族園の展示水槽から連れて行くわけではありません。移動水族館スタッフが日々大切に飼育している移動水族館専属の生き物たちです。

 その飼育には、移動水族館ならではの気をつけるべき点があります。「うみくる号」の水槽では長期飼育ができないため、活動のたびに飼育用の水槽から「うみくる号」へ移動させる必要があるのですが、その際、魚の体がすれて傷つかないよう、ビニール袋でていねいに水ごとすくって運びます。また、「うみくる号」の水槽内で魚たちが縄張り争いなどで傷つかないように、種類や大きさの組み合わせにも注意します。そして飼育用水槽では同種の魚を複数飼育し、交代で運び出すことによって1尾あたりの負担を減らしています。このように、さまざまな工夫によって、みなさんのところへ健康な生き物を連れて行くことができるのです。

 移動水族館は多くの方々に活動を知ってもらうため、東京都などが主催するイベントに出展することがあります。その一つとして、今月2019年5月18日(土)、豊洲市場6街区にぎわいスペースでおこなわれる「とうきょうフェスタin豊洲」に「うみくる号」が登場します。詳細はこちらのURLをご確認ください

 「うみくる号」でたくさんの海の生き物たちをおとどけします。ぜひ「うみ」を体験しに来てくださいね。

〔葛西臨海水族園教育普及係 服部詠一〕

(2019年05月10日)


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