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2019年亥年にまつわる魚たち
 └─2019/01/11

 みなさん、お正月はいかがお過ごしだったでしょうか。葛西臨海水族園から新年1回目の記事は2019年の十二支動物「イノシシ」に注目し、水族園で見ることができる「イノシシにまつわる魚」をご紹介します。

 昨年11月、新しく展示したロングスナウテッドボアフィッシュの「ボア」はイノシシの意味だとご紹介しました。

・「満を持しての初展示! ロングスナウテッドボアフィッシュ」(2018年11月30日) 

 じつは「ボアフィッシュ」はカワビシャ科の魚のことです。水族園では「世界の海」エリアの「深海の生物2」水槽のツボダイと「東京の海」エリアの「伊豆七島の海2」水槽のテングダイもカワビシャ科の魚です。英語ではそれぞれ「ジャパニーズ・ボアフィッシュ」「ストライプト・ボアフィッシュ」という共通した名前で呼ばれています。

ツボダイ Japanese boarfish
テングダイ Striped boarfish

 これらの魚の特徴は突き出た細い口です。それをイノシシの鼻先に見立ててこの名前がついたのでしょう。この口の形は、狭い隙間に潜む生き物を吸い込むのに便利です。水槽内でえさが落ちてきたら、ぜひ口に注目してみてください。勢いよく吸いこんで食べている姿が見られます。

スポットフィンホグフィッシュ Spotfin hogfish
スパニッシュホグフィッシュ Spanish hogfish

 イノシシを家畜化したものがブタですが、水族園にはブタの名がついた魚もいます。「世界の海」エリアの「カリブ海」水槽には、スポットフィンホグフィッシュとスパニッシュホグフィッシュというベラのなかまを展示しています。アメリカでは大きく育ったブタを「ホグ」と呼びますが、この魚たちも突き出た口をもつことから命名されたのではないでしょうか。

 飼育しているホグフィッシュたちは消灯時間が近づくと、水槽内で産卵行動を見せることがあります。雄雌のホグフィッシュが水槽上に向かって同時に泳ぎ始め、水面で産卵します。あっという間のできごとなので、行動観察の際はその一瞬を見逃さないように注意が必要です。

 魚の名前の由来を知ることで、体の形や行動に注目するきっかけにもなります。ぜひ、この冬に暖かい館内で水族園の“イノシシ”をじっくり観察してみてはいかがでしょうか?

〔葛西臨海水族園飼育展示係 柳下悠〕

(2018年01月11日)


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