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リュウキュウスガモのお手入れ
 └─2018/08/03

 葛西臨海水族園の「世界の海」エリアにある「インド洋 I」水槽では、リュウキュウスガモを展示しています。リュウキュウスガモは暖かく浅い海に生息する海草のなかまです。ワカメやノリといった海藻とは違い、海草は陸上の植物と同じように花を咲かせて種をつくって子孫を残します。水族園では同じ海草のなかまのアマモを展示していますが、リュウキュウスガモの葉はアマモほど長くは伸びません。現在展示中のアマモが1メートルほどあるのに対し、リュウキュウスガモは10~15センチほどです。


リュウキュウスガモ

 ここ最近、リュウキュウスガモが順調に育っています。だんだんと生えている範囲が広がり、サンゴなどのほかの生き物が見えにくくなってしまいました。そこで、思い切って5月に増えすぎた分をトリミングすることにしました。


リュウキュウスガモの地下茎

 リュウキュウスガモは一見すると1株1株がバラバラに砂の中から生えているようですが、じつは砂の中で這うように伸びている長い茎、「地下茎」で繋がっています。そのため1株抜いてしまうとそのまま他の株も抜けてしまいます。そこで、砂に埋まっている地下茎を探し当て、目的の部分をハサミで切ってから抜きます。手入れしてから2か月が経ち、展示水槽では新しい葉が生え始めています。

 次の手入れではどこをトリミングしようか、どことどこの地下茎と繋がっていそうか、そんなことを考えながら水槽を観察しています。トリミングしたリュウキュウスガモはバックヤードの水槽で育てており、こちらも新しい葉が生えてきて順調に育っています。


イシヨウジ

 リュウキュウスガモが生えている場所にはたくさんの小さな生き物が集まったり、生き物の繁殖の場所として利用されたりしているため、「海のゆりかご」とも呼ばれています。水槽ではイシヨウジやフチドリカワハギなどがやってきて、えさを探したり、葉をつついたりするようすが見られるときがあります。手入れされたリュウキュウスガモとそこに集まる生き物たちにぜひ注目してみてください。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 村松茉由子〕

(2018年08月03日)


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