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続・新たな視点で見てみると(63)水族園の周辺にくらす発光生物[4]──発光ゴカイ
 └─2017/03/24

 葛西臨海水族園の周辺で見つけた発光生物を続けて紹介してきましたが、今回は園内の水槽で偶然見つけた生き物です。2017年3月2日から開催している特設展「発光生物」の準備が山場を迎えていた2月初めのある日、世界の海エリア「インド洋 II」水槽でその発光生物を発見しました。


「インド洋 II」水槽。岩のように見えるオニダルマオコゼやトラウツボを展示している

 生物を飼育している水槽には、ほとんどの場合、その飼育水をきれいにするための濾過槽が併設されています。濾過槽には砂や砂利などが層状に敷き詰められていて、汚れた飼育水がこの層を通過するときに浄化されます。水族園では、濾過槽がすぐに目詰まりしてしまわないように、あらかじめ大きなゴミなどを取り除くためのネットをしかけてあります。今回の「発光ゴカイ」はこのネットに引っかかって発見されました。


「インド洋II」水槽の濾過槽。四角いネットで大きなゴミなどが取り除かれる

 朝の見回りのとき、ネットにかかっていたゴカイのなかまが少し光ったように見えたので、指で軽くつついてみると、たしかに発光しているようでした。あらためて暗い場所で刺激してみると、きれいな青色に発光しました。


電気で刺激を与えると、体の節々から青い発光液を出して美しく発光した

 このゴカイのなかまを水槽に入れた記録はないので、なにかに紛れ込んで水槽でくらしていたと思われます。ただ、詳しい種類もわからず、本来どういったところに生息している生物かもわかりません。現在、種類を特定するために調査中です。

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〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

(2017年03月24日)


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