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見くらべてあなたも「カマスマスター」? 2種のカマス類登場
 └─2016/02/19

 葛西臨海水族園「東京の海」エリアの「伊豆七島の海2」水槽に2種のカマス類26尾(アカカマスとヤマトカマス)が登場しました。これらカマス類は、2015年11月に静岡県熱海市網代の定置網で採集されたものです。

アカカマス
ヤマトカマス

 両種はともに北海道以南の日本各地の沿岸に分布するスズキ目カマス科の一種で、全長30センチほど。近縁の種なので、細長い体、尖った口、ひれのつき方など、外見がよく似ています。

 ところが、よく見ると両種を見分けることができます。たとえば図鑑などでは、体の下にある腹びれの位置、鱗の大きさ、体側の黒い帯の有無などが見分けるポイントとして紹介されています。ところが、これらのポイントの中には、実際に魚を手にとって間近で観察しなければ見分けることが難しいものもあり、泳いでいる魚ではなおさら難しいでしょう。

 これら以外にも見分けるポイントがあるかもしれません。それを知る方法は、よく観察することにつきるでしょう。体型や体色・模様など、微妙な違いに注目してじっくり観察してみてください。あなたも「カマスマスター」(?)になれるかもしれませんよ。

 今までバックヤードで飼育していたカマス類ですが、えさのとり方が少しユニークで特徴的でした。サクラエビなどのえさを目の前にして一瞬動きを止め、その後一気に突進して食べてしまいます。

 デビューした展示水槽にはニザダイやタカベなど、俊敏に動いてえさを食べてしまうライバルが数多くいます。カマス類が展示水槽に慣れてえさを食べ始めるようになっても、一瞬動きが止まったときに、えさを横取りされてしないか心配です。可能なかぎり、給餌方法などを工夫して、カマス類を飼育していきたいと考えています。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 田辺信吾〕

(2016年02月19日)


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