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マダコの複数展示
 └─2016/01/08

 葛西臨海水族園「東京の海」エリアの「東京湾にもいるこんな生物」水槽では、マダコを複数展示しています。マダコは東北地方以南の砂地に生息し、日本ではもっともよく見られるタコのなかまです。岩の隙間や穴の開いた物の中に隠れ、そのまわりをなわばりにして甲殻類などを捕まえて生活しています。


マダコの複数展示

 この水槽では当初、1個体のマダコを展示していましたが、擬岩にあいた穴の中で産卵し、出てこなくなってしまったため、数個体を追加しました。ところが、元から水槽にいたマダコが追加個体をしつこく追いかけたり、まとわりついて攻撃したりしてしまったため、すぐに水槽に潜って追加個体を救出しました。どうやら水槽全体が元からいたマダコのなわばりになっているようで、新しい個体の追加は簡単にはできませんでした。

 そこで、元から水槽にいたマダコを取り上げて、まだなわばりをもっていない個体にすべて入れ替える作戦を立てました。バックヤードで個別に飼育していた4個体のマダコを同時に水槽へ入れたところ、作戦は見事成功。新しく入れた個体はケンカせず、お互いにほどよい距離を保っています。


マダコの隠れ家

 マダコの隠れ方はさまざまで、穴の中に入るだけでなく、貝殻を引き寄せてフタのように利用したり、石と砂の間に潜り込もうとしたりします。マダコの姿をご覧いただきやすい展示になるよう、さらに取り組みたいと思います。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 村松茉由子〕

(2016年01月08日)


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