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フンボルトペンギンのひなが生まれました!
 └─2015/05/22

 葛西臨海水族園のフンボルトペンギンたちは、ただいま繁殖シーズン真っ最中です。

 フンボルトペンギンは、それぞれのペアが決まった巣穴を持ち、その中でお互いに協力をしながら卵を温め、ひなを育てます。巣の中には卵やひなを守るために、草や枝、飼育係が用意した短く切ったヨシズなどの巣の材料がふかふかに敷き詰められています。


親の腹の下には大きく育ったひながいる

 巣材が欲しいペンギンたちは、隙を見はからって他の巣穴から奪っていくこともあり、巣材をめぐる激しい闘争は日常茶飯事です。その姿はみなさんが思い描くペンギンの可愛らしいイメージとはかけ離れたものかもしれません。

 そんな中、ゴールデンウィークに2羽のひなが誕生しました。フンボルトペンギンの卵は約40日で孵化し、生まれたばかりのひなの体重は100グラムほどです。とても小さなひなですが、孵化から3か月後の巣立ちを迎える頃には、親とほとんど変わらない約3キロにまで成長します。今年生まれの2羽も日々すくすく成長中です。

 ひなは、巣立ちまでのあいだ、親がお腹の中で消化したものを口移しでもらって育ちます。消化物は初めは液状ですが、だんだん未消化の固形物が混ざるようになっていきます。ひなの要求に消化が間に合わなくなってくるためと考えられますが、このおかげでひなの消化機能が強くなっていくのかもしれません。


巣材争いの結果、ときには傷だらけに……

 最近では、えさをねだる鳴き声が力強くなり、親が魚を食べ終えて落ち着いたお昼どきや夕方になると、笛を吹いたような鳴き声が聞こえてくることがあります。鳴き声が聞こえたらえさをねだっているとき、鳴き声がピタッととまったらえさをもらっているとき、また鳴き始めたらまだ足りないと催促しているときです。

 まだひなの姿を見ることはできませんが、鳴き声でその姿を想像してみるのも、また新しい楽しみ方かもしれません。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 山本達也〕

(2015年05月22日)


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