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冬のカナダの大自然と採集と──バンクーバーでの採集行
 └─2015/02/13

 カナダは北米大陸アメリカ合衆国の北に位置する国です。葛西臨海水族園には世界の海エリアに「カナダ沿岸」の展示があります。展示生物はおもに太平洋沿岸での自家採集や購入によって集めています。

 採集をおこなうバンクーバー島周辺は緯度で見ると北海道よりも北にあり、冬は天候が荒れて雨の日が多くなります。そのため、生物採集は夏におこなうことが多いのですが、今回は1月の終わりに実施することになりました。現地のコーディネーターからは、採集計画が予定通り進まない可能性があると言われていました。

 カナダのバンクーバーに到着すると、予想していたとおり雨が降っていました。バンクーバー島へフェリーで渡り、採集地まで車で数時間走ります。海と森と湖に囲まれるこの地域には豊かな大自然が広がります。


天候がよく、美しい自然の中での採集でした


 今回、私たちが採集にあてた日数は7日間で、数日は荒天で海に出られないことも覚悟をしていましたが、運よく全日採集に出ることができました。天気はほとんどの日で晴れ、風も吹かず、冬のカナダとしては暖かく感じるほどでした。


桟橋に停泊した漁船からおこぼれをねだるカリフォルニアアシカ


 桟橋近くの水面にカリフォルニアアシカが浮かび、大空をハクトウワシが舞い、町の中ではシカを見ることができました。例年は山間部に雪が積もり、道路の凍結もあるようですが、雪は高い山の頂にしか見えません。冬眠からクマが覚めて出てくるのではないかと、町の人がなかば真剣に話をしていました。これも地球温暖化が関係しているのでしょうか。しかし、私たちの採集にはこの上ないコンディションとなり、コーディネーターの方も驚いていました。


水温およそ9℃の海での潜水採集をおこないます


 生物は潜水や海岸での引き網によって採集します。潜った海は磯や砂浜の近く、海水は緑色がかっており、冬季は海藻も夏ほど繁茂していません。日が傾いてきたり、昼間でも15メートル以深に潜ったりすると、水中ライトが必要になります。また、同じ場所でも干満差で潮の流れの早くなる時間があるため、いつどこで潜るか、慎重に決めて安全を期します。

 そのような環境の中、今回はチューブスナウトやクチバシカジカなど、すでに展示している生物に加え、キャンディストライプシュリンプ、ピージェットサウンドキングクラブといった、これまで展示したことのない生物も採集しました。近いうちに、新しい生物たちをご覧いただければと思います。

〔葛西臨海水族園調査係 河原直明〕

(2015年02月13日)


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