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チリ・プエルトモンで世界最大級のフジツボ「ピコロコ」を食べる
 └─2014/12/12

 前回お伝えしたとおり、私たちは2014年11月28日から南米チリに出張し、生物採集をおこなっています。

 チリ北部のコキンボでの生物採集と輸送を無事に終え、私たちは南部のプエルトモンへ移動し、採集を開始しました。乾燥した砂漠のようなコキンボの気候に対して、プエルトモンは森林が広がり、島と川、そして湖が点在しており、どこか懐かしい日本の一風景を見ているようです。チリという国が南北に細長く、さまざまな気候があるということがよくわかります。 

 さて、プエルトモンに移動した私たちは、最初に巨大なフジツボのなかま、ピコロコを手に入れるため、市場を訪れることにしました。ピコロコは、チリでは海産物として漁獲され、ゆでたり、スープにしたりして食べられています。

 おもにプエルトモンの近くのチロエ島で漁獲されているため、最初にフェリーでチロエ島にわたり、アンクードという町の市場に行きました。しかし、アンクードでは、すでにゆでたピコロコしか売っていないため、再びプエルトモンへ戻り、アンヘルモという町の市場へ行ってようやく生きているピコロコを入手することができました。


アンクードの市場



アンヘルモのピコロコ


 アンクードの市場では、残念ながらゆでたピコロコしか売っていなかったため、昼食をかねて食べてみることにしました。男性の握りこぶしほどもあるピコロコですが、実際に食べられる部分は親指ほどしかありません。カニを濃厚にしたような味でとてもおいしく、ゆで汁として出るスープも一緒についてきて、エビ・カニ好きにはたまらない一品でした。フジツボが甲殻類だということを食べながら再確認しました。

 生きたピコロコは、葛西臨海水族園の「世界の海」エリアの「チリ沿岸」水槽でぜひご覧ください。

・葛西臨海水族園開園25周年のスペシャル企画、動画でお送りする「『25』の生き物」でもピコロコを紹介しました。こちらをご覧ください

〔葛西臨海水族園調査係 中村浩司〕

(2014年12月12日)


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