ニュース
じつはナマコは骨のあるヤツ!?
 └─2014/11/28

 ナマコというと、ナマコ酢や中華の高級食材といった食べ物を思いうかべる人や、海に入ったときに踏んでグニャっとした気持ち悪い生物と言う人など、いろいろな印象をおもちのことと思います。

 ナマコのなかまは極地から熱帯の海まで、それも浅海から深海まで、世界中のほとんどの海に生息している棘皮動物です。じつはナマコたちは、私たち飼育係には欠かすことのできない、水槽掃除の助っ人なのです。

 水族園の水槽をのぞくと、マナマコ、クロナマコ、アカミシキリやオオイカリナマコなどいろいろなナマコを見ることができます。このナマコたちは展示生物ですが、それと同時に、水槽の底に敷いてある砂を掃除するという役目をもっています。



 ナマコは口の周りにある触手を使って砂を口に運びます。そして、砂に付着した有機物やバクテリアなどを食べて、きれいになった砂だけをうんちとして肛門から出します。ナマコは水槽の中のたくさんの砂を粘り強く掃除する「骨のあるヤツ」ですが、あのグニャグニャとした体には実際に骨があるのです。

 骨といっても皮膚の中に存在し、顕微鏡を使わなければ見えないほど小さく、「骨片」と呼ばれています。ナマコの種類ごとにその形が違うので、種類を見分けるときに使われます。

 先日、オオイカリナマコの骨片を取り出してみたところ、みごとに名前の由来になった「錨」の形をしていました。このイカリ型をした骨片が手や網などにひっかかり、くっついてしまうので、水槽内での取り扱いには苦労します。



 グニャグニャしているけど骨のあるナマコたちを探しに葛西臨海水族園においでください。

・東京ズーネットBBの動画から「うねうねうねうね、オオイカリナマコ

〔葛西臨海水族園飼育展示係 雨宮健太郎〕

(2014年11月28日)



ページトップへ