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力持ちの魚、コングリオを展示
 └─2014/11/21

 葛西臨海水族園の「東京の海」エリア「トピック水槽」で、コングリオコロラドと呼ばれる魚を展示しました。水族園では以前、同じ種を深海エリアで展示したことがあります。しかし、日本ではなかなか入手困難な魚なので、展示はなんと9年ぶりです。展示個体は今年、職員が南米のチリから採集してきました。



 コングリオコロラドは潮間帯から水深350メートルの深海に生息し、成長すると全長1メートルを超えます。ウナギやナマズを連想する姿形ですが、まったくの別種で、アシロ科の魚です。あごの下に2本のひげがあり、その先はそれぞれ二股に分かれています。このひげを動かしながら餌などを探して泳ぐ姿はなかなか愛嬌があります。チリでは食用魚としてよく知られており、その身はしまっていてとても美味しいそうです。

・以前の記事はこちら:「チリの高級魚、コングリオ登場!」(2005年9月2日)

 じつはコングリオはかなりの力持ちです。展示個体は全長50センチくらいですが、2~3キロある石を尾ひれと体でグイグイ動かしたり、水面から体が出るほど勢いよく跳ねたりします。ふだんはあまり活発に動かない魚だけに、そのギャップに驚かされます。



 今回展示するにあたって、岩や砂利の入った水槽内でこの魚が暴れないか心配しました。予感は的中し、最初の頃は夜ごとに自慢の(?)怪力で水槽内のレイアウトを好き勝手に変えていました。そこで、「体をまっすぐにしたい」「平らなところに触れたい」というこの魚の好み(習性)に合わせて岩の配置を調整したところ、落ち着いてきました。日中はあまり動き回ったりしませんが、水槽に入っている岩を目にするとと、「これを動かすのか~」とその力強さを感じていただけると思います。期間限定の展示なので、この機会にぜひ葛西臨海水族園にコングリオコロラドを見に来てください。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 堀田桃子〕

(2014年11月21日)


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