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1つが3つに!? フォルスプラムアネモネが分裂
 └─2014/10/17

 葛西臨海水族園の世界の海エリア「南アフリカ沿岸」の水槽は、現地の海で見られるカラフルなイソギンチャク類を中心に、ツートンフィンガーフィンやロックサッカーといった魚類を展示しています。

 2014年8月19日、朝の見回りをしていると、いつもと違うようすのフォルスプラムアネモネが目に入りました。普段はいわゆる「巾着」のような形をしているイソギンチャクですが、からだの一部が切れてそのすき間が広がり、棒状になっていたのです(写真1)。そんなようすは、前日にはまったく見られていません。

 外傷のようなものかとも思いましたが、最後に確認したのは前日の閉園後です。夜の間に同居している魚がつつく可能性も低く、原因がわかりません。イソギンチャクには分裂して増殖をする例がたくさん知られているので、ひょっとしたら分裂するのかも知れません。

 そこで引き続き観察を続けたところ、日中はほとんど変化がありませんでした。ところが翌朝になると3つに分裂していたのです。どの個体も体の一部が欠けた半円状をしており、分裂後に移動をしたらしくお互いに少しずつ離れていました。今回、最初に切れ込みが入ったのもその後の分裂もタイミングは夜間でした。少しでも外敵の少ない時間帯を選んでいるのかもしれません。また、二晩で成し遂げた大胆な早業にも驚きました。

 ちぎれるのは「あっ」という間だったものの、回復には時間がかかるようです。しばらくは半円状でしたが、何日もかけて少しずつすき間がふさがっていきました。約2か月がたった今も、まだ完全に切れ目はふさがってはいません。えさのサクラエビなどもよく食べて健康状態は良好なので、じきに治ることでしょう。今後もようすを見守りたいと思います。

写真1 2014年8月19日のフォルスプラムアネモネ
写真2 8月20日、分裂後
写真3 現在のようす。頻繁に場所を変えています

〔葛西臨海水族園 飼育展示係 高濱由美子〕



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