「世界の海」エリアの「バハカリフォルニア」水槽でバーバーフィッシュを展示しました。
バーバーフィッシュは東部太平洋熱帯域のカリフォルニア湾(コルテス海)からパナマ湾にかけての浅い岩礁やサンゴ礁域に生息するチョウチョウウオのなかまです。
バーバーフィッシュの「バーバー」とは理容師のことです。日本の法令では、理容師とは「頭髪の刈込、顔そり等の方法により容姿を整える」者ですが、ヨーロッパなどでは昔からマッサージもおこなうなど、頭だけではなく、全身を整える仕事もしていたようです。
じつはバーバーフィッシュには、他の魚の体表についている寄生虫や粘液などをついばんで食べてくれる「クリーナーフィッシュ」としての習性があります。なお、他にクリーナーフィッシュとして有名な魚としてはホンソメワケベラが知られています。
・過去の記事「
魚の掃除屋、ホンソメワケベラ」(2012年2月3日)
さて、現地のメキシコの海では、バーバーフィッシュがシュモクザメの体をクリーニングする行動が見られることもあるようですが、今水槽の中で同居している魚は体長15センチほどの若いファインスポッテッドジョーフィッシュだけです。たまに彼らをきれいにしようとしているのか、つつくことがあるのですが、小さなジョーフィッシュにとっては痛いようで、大きな口を広げて嫌がっているように見えます。
今後、バーバーフィッシュがクリーニングできるような大きい魚との複合展示にも挑戦してみたいと考えています。
写真:背びれを広げるバーバーフィッシュ
〔葛西臨海水族園飼育展示係 小味亮介〕