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ギマの星、キラキラ!
 └─2014/09/19

 葛西臨海水族園では、水族園のまわり(東京湾奥部)の水域の生物相を知るために、小型地曳網などを使った「周辺環境調査」を定期的におこなっています。

 2014年8月26日に水族園前の「西なぎさ」でおこなった地曳網調査では、体長1〜5センチほどの小さな「ギマ」が多く採集されました。

 ギマは体長25センチほどに成長するフグに近いなかまで、背びれと腹びれが鋭いトゲ状に伸びています。この長いトゲはよく網に絡み付き、それを外すときに手に刺さることもあるので、網にたくさん入ると少し厄介な魚でもあります。

 地曳網で採集されたものは、バットという水を溜められる浅い容器の上でゴミを取り除いたり、生物の種類ごとに仕分けたりするのですが、このとき生物が見やすいように黒いバットを使っています。

 黒いバットの上に散らばった小さなギマを見ていると、長いトゲの生えた銀色の体が子どものときに描いた星に思えてきて、この小さな星空を写真に収めてみました。

 以前にも似たような写真を撮った記憶があったので、記録を見返してみると、2013年3月におこなった調査で、小さなイシガレイがたくさん採集されたものを、同じように並べて撮影していました。ギマの写真と比べてみると、こちらはまるで落ち葉のようにも見えてきます。人工的に作られた「西なぎさ」もすでに完成から25年が経過しています。今では生き物たちにとっても、大事な生育場所になっているようです。

 現在、採集されたギマの一部を、東京の海エリアの2階「葛西の海」水槽で展示しています。この水槽は季節に合わせて展示を変更しているので、小さな可愛らしいギマを見られるのは今だけです。

写真上:地曳網調査のようす
写真中:8月の調査で採集されたギマ
写真下:昨年3月に採集されたイシガレイ

〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

(2014年09月19日)



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