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パンツをはいたら一人前? オールドウーマンエンゼルフィッシュの成長
 └─2014/08/29

 葛西臨海水族園世界の海エリア「紅海」水槽のオールドウーマンエンゼルフィッシュは、成魚と幼魚で模様が異なる魚です。

 成魚は全体的に青みがかった灰色をしていますが、体の後方から尾の付け根にかけて、体色が淡くなっている部分があります。一方幼魚は、紺色の体に鮮やかな青い縞模様が入っています。

 この魚をはじめとしたキンチャクダイ科のなかまの多くは、縄張りをもつ魚です。同種のほかの魚が縄張りに入ってくると、良い餌場を取られては大変と、相手を激しく攻撃し追い出します。

 もし体の小さい幼魚たちが成魚に追われた場合、とても勝ち目はないでしょう。諸説あるうちのひとつですが、幼魚は成魚とまったく異なる外見をもつことで、「大人の争い」に巻き込まれないようにしているといわれています。

 水槽には大きさの異なる2尾のオールドウーマンエンゼルフィッシュを飼育していて、見比べると模様が異なることがわかります。

 しかし、最近幼魚の模様に変化が出てきました。鮮やかな青の縞模様が減り、成魚の証である淡い色の部分がうっすらと表れてきたのです。ちょうど幼魚と成魚の中間という感じです。幼魚が完全に成魚の模様になったとき、2尾の関係がどう変化するかわかりませんが、今はまだ争うこともなくくらしています。

 私には成魚の淡い色のところがどうしてもパンツに見えてしまうので、勝手に「パンツをはいたら一人前」と思っています。この模様はみなさんにはどのように見えるでしょうか? 大人の階段をのぼるオールドウーマンエンゼルフィッシュをぜひ見にいらしてください。

写真上:オールドウーマンエンゼルフィッシュの成魚
写真下:青い縞模様がある幼魚

〔葛西臨海水族園飼育展示係 堀田桃子〕

(2014年08月29日)



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