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クロマグロの追加と開園25周年記念のメジもなか
 └─2014/06/20

 2014年6月8日、葛西臨海水族園大洋の航海者「マグロ」の水槽に、クロマグロを50尾追加しました。追加したのは生まれて約1年、体重はおよそ10キロの個体で、長崎県の五島列島から輸送しました。

 マグロのなかまは、泳ぐことで口からえらに海水を通して呼吸をしているため、輸送中も遊泳できる十分なスペースが必要です。水族園までの輸送は、活魚船と活魚トラックを乗りついでおこないました。距離にして1,000キロ以上、日数は3日間もかかります。マグロたちにとっては長い旅です。

 水族園に到着してからは、活魚トラックに設置されているカンコと呼ばれる水槽から、専用の担架(たんか)でマグロを水ごとすくい、1尾ずつ大切にマグロ水槽まで運びます。この時ばかりはマグロたちも泳ぐことができません。苦しい思いをしているマグロを早く水槽の中に入れてやらなければと、気持ちが焦るところですが、「安全に」そして「確実に」を合言葉に慎重に運びました。

 水槽に入れて約2週間がたち、仲間入りしたクロマグロたちも少しずつ環境に慣れてきました。毎日14時30分の餌の時間には、体の大きさが自分の何倍もある先住のマグロたちに遠慮しながらも、アジやイカの切り身を食べるようすを見ることができます。

 なお、葛西臨海水族園では開園25周年を記念して、今年5月より、レストランシーウィンドで、クロマグロをモチーフにしたオリジナルのもなかアイスクリーム「メジもなか」を販売しています。「メジ」というのは、おもに関東地方でクロマグロの若魚をさす呼び名です。明確なサイズの規定はありませんが、体重20キロ程度までの個体を示すことが多いようです。

 さて気になるもなかの味は、皮はもち米100%で香ばしく、アイスクリームは小笠原自然海塩を使用し少し塩味のきいたバニラ風味です。

 水槽で迫力のあるマグロたちの遊泳を楽しみ、そしてぜひメジもなかもご賞味ください。

写真上:水槽にクロマグロを放す瞬間
写真中:水槽の下方に今回仲間入りした小型の個体が泳いでいる
写真下:もなかの皮にマグロが描いてある「メジもなか」

〔葛西臨海水族園飼育展示係 高濱由美子〕

(2014年06月20日)



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