(2014年3月20日追記)
マンボウは体調管理のため3月10日に展示を中止しましたが、残念ながら翌11日に死亡しました。現在、葛西臨海水族園ではマンボウを展示しておりません。
──────────────────────────────────────────────────
2014年2月20日から葛西臨海水族園で3年ぶりにマンボウを展示しました。
マンボウは世界中の暖かな海に分布し、表層から深海までを遊泳する魚です。水深800メートルまで潜ることが確認されており、前回は深海コーナーで展示しましたが、今回は広い水槽を自由に泳がせようと水族園で最大の「マグロ」水槽で展示することにしました。
展示したマンボウは、全長が約1メートルほどです。昨年11月21日に静岡県熱海市網代の定置網に入ったものを漁師さんから分けていただき搬入しました。
最近の研究により、日本近海で見られるマンボウには2種類、全世界では3種類いることがわかりました。学名の決定はまだですが、日本ではそれぞれに「マンボウ」、「ウシマンボウ」と和名を付けて呼び分けています。今回展示の個体は「マンボウ」です。
搬入から展示までの期間は、魚の状態を落ち着かせるため裏の予備水槽で飼育していました。その期間に大事なことは餌付けることです。搬入翌日から、殻をむいたエビを口元にもっていくと僅かですが食べました。その後も毎日根気よく餌を与え続け、搬入4日後には水面をたたくだけで自分から近づいてくるようになりました。
こうして餌もよく食べるようになってからの「マグロ」水槽デビューでした。「マグロ」水槽は最大水深約7メートル、水量約2200トンの広い水槽なので、給餌はマンボウに水面まで上がって来させて餌を与える必要があります。そこで、餌の時間をマンボウに知らせる目印を用意しました。目印は、棒の先にカゴ状の大きな玉が付いているもので、広い水槽でもマンボウからよく見えるはずです。これを水面に入れると餌の時間だと分かり、近寄ってくるようにあらかじめ予備水槽で条件付けしてあります。
これからマンボウを元気に、長期間飼育するためのチャレンジが続きます。大きな水槽をゆっくり泳ぐマンボウの姿を、ぜひごらんください。
写真上:マンボウ
写真下:給餌を知らせる目印
〔葛西臨海水族園飼育展示係 木船崇司〕
(2014年02月21日)
(2014年03月10日、展示中止について追記)
(2014年03月20日、死亡[3月11日]について追記)
|