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まるで花畑、美しい「南アフリカ」の海
 └─2013/10/11

 南アフリカの首都ケープタウン周辺は、アフリカ大陸南端にあって、赤道からは何千キロも離れています。その海は、地理的な理由に加え、深い海から冷たい栄養豊富な水が湧き上がってくるので一年中冷たく、陸上のアフリカにも負けない美しい自然が広がっています。

 葛西臨海水族園「世界の海」エリアの「南アフリカ」水槽では、南アフリカの海の魅力をお見せするため、2010年からサンディアネモネやフォールスプラムアネモネといったイソギンチャクを主役にした展示をおこなっています。

 現地の海には、これらのイソギンチャクが花を咲かせたように群生する場所があり、水槽の中でそのような光景を作り出そうと努力しています。

 イソギンチャクは、触手を開いて水中の細かな餌を捕らえるのですが、サンディアネモネなどは、適切に水流が当たらないと触手を引っ込め、縮まってしまいます。そこで水流の当て方をいろいろくふうすることで安定して触手を開かせることができるようになりました。そこにプランクトンなどを餌として流して与えています。

 今では水槽の大きな岩いっぱいに、赤、水色、ピンク、紫、オレンジといった色とりどりのイソギンチャクが花を咲かせるように開いており、にぎやかな水槽になっています。

 さらに嬉しいことにストロベリーアネモネという直径1センチ程度のホネナシサンゴのなかまが水槽で増えてきました。この生物は餌をしっかり食べさせてやると分裂して増殖します。最初は、小さな岩にわずかに付いたものを水槽に入れたのですが、今では数えられないくらいに増殖し、水槽の岩の右半分に広がる勢いです。水流がうまく当たっており、プランクトンなどをよく食べているのでしょう。どこまで増えてくれるかとても楽しみです。

 まるで花畑のようになっている「南アフリカ」水槽は、これからももっとにぎやかになることと思いますので、ぜひ見に来てください。

写真上:花畑のような「南アフリカ」の水槽
写真下:岩にびっしりついたストロベリーアネモネ

〔葛西臨海水族園飼育展示係 木船崇司〕

(2013年10月11日)



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