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オウサマペンギン「ソラ」の色
 └─2013/02/01

 2013年たくさんの新成人の方々が成人式を迎えたころから、2011年8月葛西臨海水族園で生まれたオウサマペンギン「ソラ」にも、成鳥になる前のちょっとした変化が見られるようになりました。

 フワフワとした茶色の幼綿羽に全身を覆われていた一年前と比べると、体も大きく立派になったように見えるソラですが、まだ成鳥になる一歩手前の「亜成鳥」と呼ばれる段階のペンギンです。

 オウサマペンギンの特徴は、鮮やかなオレンジ色の下くちばしと顔の横から胸にかけて同じくオレンジ色をした模様ですが、亜成鳥の場合、下くちばしは黒く、胸の模様も成鳥と比べると薄いレモン色をしています。 

 下くちばしのオレンジ色の部分を「下嘴板」(かしばん)といいます。成鳥の場合は、繁殖期前に下嘴板の表面が剥がれ落ちて下から鮮やかなオレンジ色の新しい下嘴板が現れますが、亜成鳥の黒い下くちばしは、まるでペンキが長い時間をかけて少しずつ剥がれていくように色が薄れ、その下から色の付いていない白い下嘴板が見えてきます。観察する限りでは、真っ白な状態から段々に色付いてくるようで、最近ソラの下くちばしは、うっすらとしたオレンジ色から日に日に濃く鮮やかな色へと変化してきています。

 また、顔の横から胸にかけてのレモン色の模様は、一年に一度羽が生え換わる換羽期が終わるとオレンジ色に変わります。

 順調に成長を続けるソラは、来年の今ごろには成人式ならぬ成鳥式を迎えることができそうです。

写真上:まだ黒いソラの下嘴板(2012年6月撮影)
写真下:色づいてきた下嘴板(2013年1月撮影)

〔葛西臨海水族園飼育展示係 山本達也〕

(2013年02月01日)



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