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企画展「歯歯歯展」リポート
 └─2012/08/10

 葛西臨海水族園で2012年8月1日より開催中の企画展「歯歯歯(ははは)展──切って砕いてすりつぶす水生動物の歯の話」について、担当者が手前味噌風にレポートします。

 企画展では、まず入口のモニターでパラパラまんが風アニメーションを上映しています。このアニメの前半に出てくるサメは、1,500万年前〜200万年前に生息していた史上最大のサメといわれるメガロドンです。その歯は鋭く、動く獲物を捕らえて噛み切ることができます。一方、後半に出てくるネコザメは、同じサメでも臼歯状の歯をもっていて、サザエのような硬い殻の貝をバリバリと割って食べます。

【展示中のアニメーション】
 Windows Media形式 QuickTime形式

 「同じサメのなかまなのに、そんなに歯が違うの?」と思いながら企画展の中へと進むと、迫力満点なメガロドンの歯、ネコザメの歯、それに生きたネコザメが見られます。ネコザメののんきな動きや歯の形を見ていると、「君は貝を食べるのがお似合いだよ」という気になってきます。

 展示室の中は、とにかく歯、歯、歯のオンパレードです。水族園なので、魚などの水中動物はもちろん充実しています。クロマグロやタマカイなど、魚類の歯の多くは水族園で飼育していた魚が死んだ際に標本にしたものです。

 また、今回は比較のために陸上動物(哺乳類)の歯も展示していて、植物食性のアジアゾウの歯とヒブダイの平らな歯、肉食性のヒグマの犬歯とクロマグロの歯を見比べると、水中・陸上にかかわらず、食べるものによる共通点が見えてきます。

 とくに私がオススメするのは「これも歯?」のコーナーです。カニの歯・タコの歯など、なかなか見る機会のない生き物の歯に、文字通り、光を当てて美しく展示しています。レース細工のような巻貝の舌歯(しぜつ)や、意外な形のタカアシガニの胃歯(いし)は必見です。

 展示室最後のコーナーでは、家庭でできる歯の標本の作り方も紹介しています。使う器材は身近にあるものばかりで、気軽に挑戦できます。

 この企画展は、本館レクチャールームで2012年9月2日まで開催していますのでぜひごらんください。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 堀田桃子〕

(2012年08月10日)



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