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オーストラリア採集リポート、その壱
 └─2012/07/13

 こんにちは、アメケンこと葛西臨海水族園飼育展示係の雨宮健太郎です。私は今、ナーサリーフィッシュ採集隊として、オーストラリア北部のダーウィンに来ています。

 ナーサリーフィッシュは、オーストラリア北部とパプアニューギニアの一部の汽水域に生息する魚です。この魚はメスが産んだ卵をオスが額にあるフックに引っ掛けて孵化するまで守るという、とても珍しい生態をしています。

 ナーサリーフィッシュが棲む川は、濁っているうえにイリエワニも生息しているため、潜って採集することはできません。そこで我々は刺し網を使って採集をおこないます。

 2隻のボートの間に網を張り、そこを通るナーサリーフィッシュを採るという作戦です。しかし、ナーサリーフィッシュの体表はとてもデリケートなので、長い間網にひっかけたままにすると傷だらけになって弱ってしまいます。そこで約3分ごとに網を上げて、こまめに採集を繰り返します。

 こうして採集したナーサリーフィッシュは、一度水槽に収容して落ち着かせます。数日後、専用の輸送袋で丁寧にパッキングをして、クーラーボックスに詰め、空路で葛西臨海水族園へ向かいます。 そのパッキングのようすや輸送後のナーサリーフィッシュの姿は、我々採集隊が帰国した後に、改めて報告いたしますので、お楽しみに。

「ダーウィン出張報告、ナーサリーフィッシュの採集」(2011年07月15日)

・東京ズーネットBBの動画「動かない魚、ナーサリーフィッシュ」(2007年03月撮影)

写真上:スタッフの乗るボートのそばにイリエワニが
写真下:刺し網からナーサリーフィッシュを採集

〔葛西臨海水族園飼育展示係 雨宮健太郎〕

(2012年07月13日)



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