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オウサマペンギン「ソラ」の換羽
 └─2012/06/08

 2011年に生まれたオウサマペンギン「ソラ」の近況を報告します。

「『ソラ』すくすく成長中」(2011年11月11日)
・東京ズーネット動画「ペンギンのひなが成長中」

 ソラのふわふわとした茶色の幼綿羽(ようめんう)が、2012年5月中旬からだんだんと抜け始めました。これは、羽が生え換わる換羽(かんう)という現象です。これまでソラの体を覆っていた茶色の幼綿羽は長さ6センチほどで、保温性に優れていますが、水を含みやすいため水中を泳ぎ回るのには不向きです。

 陸上で親鳥から餌をもらうひなにとって、幼綿羽は寒さから身を守るために必要な羽ですが、これでは水中に潜って魚を捕まえ食べることはできません。そこで、親離れの時期が近付くにしたがって、幼綿羽から、水を弾く正羽(せいう)へと羽毛が生え換わっていくのです。

 換羽の時期になるとペンギンたちは、古い羽毛を落とすためにくちばしを使って羽づくろいをおこないます。人間でいう髪をとかすような行動です。

 頻繁に羽づくろいをおこなうソラは順調に生え換わりが進んでいますが、なぜか胸の辺りだけ幼綿羽がからんでしまい、毛玉状になってしまいました。歩くたびに揺れる毛玉を気にして、しきりに引っ張り取ろうとしますが、くちばしが届かずうまくいきません。まるで大きな毛玉が小さな毛玉と格闘しているようで、しばらくは続きそうです。

 現在オウサマペンギンは、夏の暑さ対策のため非公開の冷房室で飼育していて、ごらんいただくことができませんが、また秋には屋外の展示場でみなさんに元気な姿をお見せしたいと思います。

写真上:換羽中のソラ
写真中:胸の毛玉
写真下:幼綿羽(左)と正羽

〔葛西臨海水族園飼育展示係 山本達也〕

(2012年06月08日)



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