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続・新たな視点で見てみると(40)華麗に光る「ヤコウチュウ その3」
 └─2012/06/01

 前回の「続・新たな視点で見てみると(39)」では、葛西臨海水族園の裏のスペースで飼育中のヤコウチュウが「貪欲に食べる」ようすをお伝えしました。それに続く今回はヤコウチュウの本領発揮!「華麗に光る」ようすをごらんいただきます。

「続・新たな視点で見てみると(39)」(2012年05月18日)

 小さな容器で飼っているヤコウチュウですが、餌を与えたり水を換えたりと、大した手間ではないのですが、それなりに必要な作業が有ります。この作業がちょっと面倒くさいなと思ったときには、飼育している部屋の明かりを消してヤコウチュウに光ってもらい、きれいな青い光を愛でています。

 光らせ方はとても簡単。振動などの刺激を加えればいいのです。今回のビデオでは、「飼育している容器に海水を流し込む」「平たい板の上に注ぎ落とす」「一匹一匹が分かるように拡大して振動を与える」「飼育している容器を軽くたたく」、最後に一番お気に入りの「水面に浮いているヤコウチュウにフゥーと息を吹きかける」という方法で光らせています。

ヤコウチュウの発光動画


 透明でツブツブしたヤコウチュウが発光するようすを見ていると、宮沢賢治の童話『銀河鉄道の夜』の一場面が思い起こされました。「北十字とプリオシン海岸」の章でのカムパネルラの台詞、「この砂はみんな水晶だ。中で小さな火が燃えている」。

 こんな素敵な光景をひとりだけで見ているのはもったいない! 水族園にいらしゃったみなさんにもぜひ見ていただきたいと思い、発光実験ができないか現在思案中です。

写真上:振動などの刺激で光るヤコウチュウ
写真中:まるで青い花火のよう
写真下:発光を拡大撮影

〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

(2012年06月01日)



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