ニュース
タテジマヤッコの性転換
 └─2012/02/17

 葛西臨海水族園東京の海エリアの「伊豆七島の海1」水槽では、2010年12月からタテジマヤッコを展示しています。タテジマヤッコはメスからオスへ性転換する魚です。当初はメスを4匹展示していましたが、その中の1匹が性転換し、現在はオス1匹、メス3匹になりました。

 タテジマヤッコの体の側面には、顔と尾を結ぶ黒い線が3〜5本あります。ふつうに泳いでいる姿を見ると、「ヨコジマ」のようですが、魚の縞もようは、頭を上、尾を下にした状態で名付けられるため、「タテジマ」となります。尾びれの上下端が糸のように長く伸びるのも特徴です。

 タテジマヤッコは、メスからオスに性転換して、少数のオスと多数のメスで群れを作ります。沿岸の中層を群れで泳ぎ、動物プランクトンを食べます。展示水槽では、アルテミア、コペポーダ、ワムシなどの動物プランクトンを餌として与えています。

 メス4匹で展示を始めてから半年もしないうちに、1匹がオスへ性転換しました。メスからオスになると、体の色に違いが現れるため見分けることができます。見分けるポイントは3つあります。1つ目は頭部で、オスでは額に黄色いもようがありますが、メスにはありません。2つ目は腹びれの色で、オスは黒色、メスは白色です。3つ目が尾びれの上下端の色で、腹びれのとは反対に、オスは白色、メスは黒色をしています。

 水槽でこの特徴を探すと、簡単にオスとメスを見分けることができると思います。また、水槽の横には、タテジマヤッコの写真と種名のラベルを雌雄それぞれ掲示しています。オスがメスの前で体を横にし、体を細かく震わせる求愛行動と考えられる動きが見られることもあります。

写真上:オス
写真下:メス

〔葛西臨海水族園飼育展示係 小木曽正造〕

(2012年02月17日)



ページトップへ