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シーホースとシードラゴン
 └─2011/11/18

 2011年も11月半ばを過ぎ、新しい年が近づいてきました。来年の干支は辰です。水族館で辰年に関連することといえば、「タツノオトシゴ」が真っ先に頭に浮かぶのではないでしょうか? 今回はそのタツノオトシゴのなかまのお話です。

 タツノオトシゴは北海道以南の日本各地や朝鮮半島に生息する魚です。体長は約10センチメートルとそれほど大きくはなく、沿岸の浅い場所にある藻場などでくらしています。体は「体輪」と呼ばれる硬い骨板に覆われ、細い口、湾曲した体形、小さなひれなどが特徴で、あまり魚らしくない姿をしています。その奇妙な形から、タツノオトシゴ(龍の落とし子)という名がつけられました。地域によってはリュウグウノウマ、ウミウマなどと呼ばれることもあります。「あれ、馬?」じつは英名はsea horse(シーホース)といいます。言われてみれば、正面から見た面長の顔が馬のように見えます。

 しかし、タツノオトシゴのなかまには、立派に「龍」(ドラゴン)の名を持つ種類もいます。葛西臨海水族園「オーストラリア西部」の水槽に展示されているリーフィシードラゴンです。この魚はオーストラリア南部から西部にかけて生息しています。体には葉っぱのような付属物があり、まるでちぎれた海藻のような姿です。現在展示している個体は全長30センチほどですが、最大43センチにもなります。タツノオトシゴはほとんどの時間尻尾の先で海藻などにつかまっていますが、リーフィシードラゴンは、常にゆっくりと遊泳し、大きな体ともあいまって威風堂々とした龍のようにも見えます。

 辰年には龍が割り当てられますが、これは十二支で唯一の空想上の生き物です。中国を起源とする龍は神話に出てくる生物で、角はシカ、頭はラクダ、眼はウサギ、体はヘビ、鱗はコイ、爪はタカ、掌はトラ、耳はウシにそれぞれ似ているとされています。そんな生物は存在しませんが、年末年始にはぜひ、海に住む一風変わった龍の姿を見に来てください。年賀状にリーフィシードラゴンの姿を添えてみてもいいかもしれません。

写真上:タツノオトシゴ
写真下:リーフィシードラゴン

〔葛西臨海水族園飼育展示係 細谷有莉沙〕

(2011年11月18日)



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