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深海に咲くウミユリ「トリノアシ」──8/23
特設展「エキノデルマータ──ヒトデ・ウニ・ナマコにかくれた五角形」解説



 照明の暗い「深海の生物」のコーナーに「トリノアシ」がいます。「深海の不気味なユリの花」といった姿ですが、れっきとした動物です。

 花びらにあたる「腕」は約40本あり、その一本一本には、よく見ると細かい枝がたくさん生えています。この構造はプランクトンをひっかけるのに役立ちます。腕を支える茎には「巻枝」と呼ばれる細い枝がたくさんあり、これで岩などにしがみつきます。腕でとらえた餌は、腕の根もとの真ん中にある口に運ばれます。

 トリノアシは水深 100メートルより深い大陸棚の斜面に生息しています。古生代には、多種多様なこのなかまが浅い海の底一面にはえる「花園」があったようです。

 特設展「エキノデルマータ」(=棘皮動物)との関わりは?──じつは、トリノアシはウニやヒトデとおなじ棘皮動物のなかまなのです! 共通点は「五角形」。水槽の底に転がっている茎をよ~く見てください。茎の断面が正五角形に見えませんか(写真左下)。茎の同じ節からでている巻枝の数も5本(写真右下)。こんなところに五角形がかくれていたんですね!

〔葛西臨海水族園調査係 天野未知〕

(くわしくはメールマガジンZooExpressのNo.74 をどうぞ)



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