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魅力的な老婆、オールドワイフ
 └─2011/03/04

 葛西臨海水族園では、世界中のさまざまな海の生き物を展示しています。派手で目立ちたがりのものや、地味で隠れ上手なものなど、その姿はいろいろで見飽きることがありません。
 そして、彼らの「名前」もじつにいろいろで、どうして? と気になってしまうものもたくさんあります。

 今回ご紹介する生き物は、「オールドワイフ」という名前です。そのまま日本語にするとold(オールド)=古い、wife(ワイフ)=女房で「古女房」という意味になりそうですが、現地では「老婆」という意味でも使われているようです。いったいどんな生き物でしょうか?

 その正体は、オーストラリア沿岸にすむとても美しい魚です。体に縞もようがあり、上下にのびた鋭いひれが特徴です。岩礁や藻場、入り江などにすみ、ときには数百匹の大きな群れをつくることがあります。

 それではなぜこのような名前がついたのでしょうか。ゆうゆうと泳ぐ姿を見ていても、なかなか連想することができません。一説には、釣り上げたときにギシギシと歯をこすり合わせて嫌な音を出すことから、ぶつぶつと小言がうるさい老婆に例えられたといわれています。

 でも、オールドワイフの格調高い色彩や優雅な泳ぎを見ていると、「いつまでも美しい大人の女性」を連想します、よね?
 海のなかの魅力的な老婆、オールドワイフは、「オーストラリア南部」水槽で展示しています。

写真上:オールドワイフ
写真下:群れをつくる(オーストラリア ビクターハーバーにて)

〔葛西臨海水族園飼育展示係 中沢純一〕

(2011年03月04日)



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