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グースフィッシュが卵を産みました
 └─2010/03/12

 みなさん、グースフィッシュという魚を知っていますか? グースフィッシュは、西大西洋にすむアンコウのなかまです。葛西臨海水族園では、「北米東岸」水槽で展示しています。別名アングラーフィッシュ(anglerは「釣り師」)といい、その名のとおり「釣り」をします。頭の先にある背びれは釣竿の役割をもっていて、これを振って、餌となる生物をおびき寄せます。餌が近づくと、大きな口で一瞬のうちに丸飲みにします。

 2010年3月1日、このグースフィッシュが卵を産みました。ただし、メスを単独で飼育しているので、残念ながら卵は未受精です。展示はしていません。

 でも、せっかく産んだので、卵を写真で紹介します。グースフィッシュは、たくさんの卵が透明のゼラチン質につつまれた、卵帯(らんたい)とよばれる帯状のかたまりを産みます。写真を見てください。右上に写っているモヤモヤした物体が卵帯です。今回産み出された卵帯の長さはなんと8.7メートル、重さは5.4キログラムもありました。その中には、直径 1.7ミリほどの卵が、およそ35万個含まれていました。卵帯は水面に漂います。たくさんの卵に光があたって輝くようすは、夜空に光るオーロラのようで、とても幻想的でした。

 卵は回収してしまいましたが、グースフィッシュを見に、ぜひ葛西臨海水族園にお越しください。タイミングがよければ、「釣り」をするようすを観察することができるかもしれません。また、餌を食べる動画は、下記のニュースをごらんください。

・「新たな視点で見てみると(4)
  スローモーションで見るアンコウの摂餌
  (2007年07月27日)

〔葛西臨海水族園飼育展示係 中沢純一〕

(2010年03月12日)



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