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リスの巣箱の掃除
 └─2008/01/11

 現在、井の頭自然文化園の「リスの小径」や繁殖棟では、来年の繁殖シーズンに向けて巣箱の掃除をおこなっています。ニホンリスが毎日使う巣箱の中は、ためこんだ巣材やクルミの殻がたくさんつもり、床が高くなっていきます。繁殖の時期になって、さらに巣材を集めるようになると、床はいっそう高くなり、生まれたばかりの子どものリスが巣穴から転がり落ちてしまうこともあるため、掃除をするのです。

 リスの小径には現在、70個以上の巣箱がありますが、野生のリスが使用する巣は6~10個と言われており、1頭のリスがいつも決まった巣箱を利用しているわけではありません。そのため、リスが好んで利用する巣箱とそうでない巣箱があります。

 とくにリスがよく使っている巣箱の中には、開けると古い巣材やクルミ殻がぎゅうぎゅうにつもって「地層」になっていたり、巣箱の底のほうにはほとんど土のような状態になった細かいものが入っていたりすることもあります。

 掃除はまず、はしごをかけ、巣箱を一つ一つ開けて、下のほうのゴミをかき出していきます。巣箱を開けたとたん、ざらざらとホコリとともに巣材がふってくることもあり、マスクをしていないと鼻の穴が真っ黒になってしまいます。最近集めたばかりの新しい巣材はそっとはずし、掃除を終えた後、巣箱に戻します。

 ところで、「リスの小径」の中には、リスたちが木の皮をはいで巣を作ることができるよう、巣材となる杉の丸太が置いてあります。寒い時期や子育ての時期にはさらに多くの巣材を集めるので、それらの丸太を新しいものに交換しました。最近では、巣材を集めに丸太の皮をはがして運ぶすがたがよく見られます。きれいになった巣箱で新しい巣を作り、今年もたくさんの子どもを産んでくれることを願っています。

〔井の頭自然文化園飼育展示係 水谷京子〕

(2008年01月11日)



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