井の頭自然文化園では、環境省のツシマヤマネコの保護増殖事業に協力し、2006年度からツシマヤマネコの飼育を開始しています。
その事業の一環として、2023年12月21日(木)、
東山動植物園(愛知県名古屋市)からツシマヤマネコの「したる」(メス)が井の頭自然文化園に来園します。
環境省は絶滅危惧種のツシマヤマネコを守るため、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(通称「種の保存法」)に基づいて保護増殖事業を実施しています。公益社団法人日本動物園水族館協会は、環境省からの依頼を受けて、国内9つの動物園等で飼育下繁殖や展示(普及啓発)に取り組んでいます。
したるは2023年4月23日に東山動植物園で、1頭で生まれました。近年、保護増殖事業では1頭で産まれた子どもは1つの施設に集めて同居させ、将来的な繁殖に寄与するための社会性を習得させています。しかし、今年国内の動物園等の施設で生まれたツシマヤマネコは、したる1頭だったので、当園で今年生まれたアムールヤマネコ「アカネ」(メス)との同居を試みることになりました。
※アムールヤマネコは東南アジアに広く分布するベンガルヤマネコの亜種です。そのアムールヤマネコの中でも、長崎県の対馬のみに生息する地域個体群をツシマヤマネコと呼んでいます。つまりツシマヤマネコとアムールヤマネコは、同じ亜種に属します。
なお、したるは非公開施設にて飼育するため、一般公開はおこないません。またしたるは、当園でしばらくの間過ごした後、環境省のツシマヤマネコ野生順化ステーション(長崎県対馬市)へ移動する予定です。
この移動は、環境省の「令和5年-6年 ツシマヤマネコ飼育下繁殖(移動)計画」に基づくものです。したるの来園後、井の頭自然文化園で飼育しているツシマヤマネコの個体数は4頭(オス2、メス2)になります。
シマヤマネコ「したる」
(写真提供:東山動植物園)
(2023年12月07日)