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ニホンカモシカが生まれました(性別が判明し、名前が決まりました)
 └─ 2022/07/08(09/25更新)
2022年9月25日追記:
 性別が判明し、名前が決まりました。性別はオス、名前は「トト」です。



 井の頭自然文化園では、2022年7月6日(水)に、ニホンカモシカが1頭生まれました。性別はまだ不明です。


ニホンカモシカ「すずな」とその子ども

 2021年11月8日、「すずな」(メス)が名古屋市東山動植物園から来園し、「ムム」(オス)とペアリングをおこないました。2021年末に交尾行動が見られたため、この夏に出産することを予想して観察を続けていたところ、2022年7月5日にすずなの行動に変化が見られ、その翌日に放飼場で出産しているのを飼育担当者が確認しました。当園では2013年以降、約9年ぶりの繁殖です。

 ニホンカモシカは日本固有種で、特別天然記念物にも指定されている希少な動物です。そこで、(公社)日本動物園水族館協会では、遺伝的多様性を維持しながら繁殖による飼育個体数の増加を図ること目標として、「ニホンカモシカ管理計画書」を作成し、国内の動物園が協力をして繁殖に取り組んできました。その計画の一環として当園へすずなが来園してムムと新しいペアを形成し、繁殖に臨んできました。そのため、このたびの繁殖はとても貴重な成果と言えます。

 また、すずなとムムは、かなり高齢での初の繁殖でもありました。国内で飼育しているニホンカモシカの初繁殖の年齢の平均はオスメスともに約3歳11ヵ月、すべての繁殖例の平均はオスメスともに約7歳3ヵ月です。一方、すずなは11歳、ムムは8歳ですので、かなり高齢での初繁殖ということがわかります。これは、ニホンカモシカのペアリングがうまく成功した事例でもあり、今後の管理計画におけるペアリングの手法に役立てられると思われます。

 母親のすずなは、初めての出産ですが、常に子どもに寄り添い、授乳するなど、とても落ち着いているようすです。現在、来園者に近い場所で子どもの世話をしているため、観覧通路に人止めの柵を設置しています。子どもの姿が見られない場合がありますが、しばらくは少し離れた場所から静かにそっと見守ってあげてください。

当園での飼育状況(2022年7月8日現在)
 3頭(オス1、メス1、不明1) ※今回生まれた子どもを含みます。

日本国内の飼育状況(2021年12月31日現在)
 18園館 52頭(オス24、メス28)
 資料:2021年度ニホンカモシカ国内血統登録台帳【(公社)日本動物園水族館協会】

◎関連ニュース
ニホンカモシカのメス「すずな」が名古屋市東山動植物園から来園しました(2021年11月11日)

(2022年07月08日)
(2022年09月25日:性別の判明と名前の決定について追記)



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