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ヤマネコたちの移動と新しい展示──アムールヤマネコとツシマヤマネコ
 └─2015/10/19

 井の頭自然文化園では、アムールヤマネコとツシマヤマネコを飼育していますが、2015年10月6日に展示エリアの一部をリニューアルし、アムールヤマネコのオスの「ユズキ」(1歳)をここに移しました。中には木組みの階段を利用した立体的な展示「キャットタワー」があります。また、中央部のスペースで3頭のアムールヤマネコを見ることができます。


左右のキャットタワーに挟まれた中央がリニューアル部分。ここでアムールヤマネコを間近に見ることができる

 リニューアルにあたって、アムールヤマネコのようすがよく観察できるようにガラス面を3か所設けました。また、立体的な展示にするために倒木やロープを張りました。他の施設で「ロープを渡るヤマネコがいる」という話をヒントに試みたのですが、まだ渡っている姿は目撃されていません。
 ユズキは藁で作った球で遊んだり、高いところに肉を吊り下げるとジャンプして食べたり、活発で好奇心旺盛なので、間もなく綱渡りに成功するかもしれません。ご期待ください。

ガラス越しのアムールヤマネコ「ユズキ」
ツシマヤマネコ舎

 また、アムールヤマネコのユズキがいた場所に、ツシマヤマネコのメスの「ノリ」(12歳)を2015年10月7日から公開しました。ツシマヤマネコは2014年3月以来の公開です。環境省と公益社団法人日本動物園水族館協会が進める「ツシマヤマネコ飼育計画」では、ツシマヤマネコに関する普及啓発活動を積極的に進めており、今回展示スペースが確保できたので再公開の運びとなりました。

 10月5日にノリを移動。翌6日は健康状態のチェックなどをおこなうとともに、室内に慣れさせるために終日室内で過ごさせました。7日の朝8時15分に扉を開けると、用心深いノリはしばらく外のようすをうかがっていましたが、8時58分にゆっくりと外に出て、その後はまわりの状況を確認したり、においを嗅いだりしてよく歩き回っていました。

外に出てすぐの「ノリ」
歩き回る「ノリ」

 10時50分頃からは茂みに隠れて休息し、16時近くなると再び歩き回り、ときおり部屋の出入口を気にしていました。このときの行動から夕方に室内に入れることとし、16時45分に扉を開けたところ、扉の前で待っていたノリは室内に置いた肉に近づいて食べ始めたため、ゆっくりと扉を閉めて無事収容することができました。これまで、ピンセットで肉を与えたり、人が見ている中でも気にせずえさを食べるようトレーニングを続けてきたりした効果があったようで、ノリは室内に入れられても落ち着いたようすです。

 美しいツシマヤマネコの姿を新展示舎でごらんください。


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〔井の頭自然文化園飼育展示係 唐沢瑞樹〕

(2015年10月19日)


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