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サルだってなるのです!春の季節のあの病気
 └─2015/03/20

 まだ朝晩は寒い日が続きますが、日中は暖かい日も増え、だんだんと春の陽気になってきました。


日向ぼっこをするサルたち


 厳しい冬の寒さを耐えてきたアカゲザルたちにとって、待ち望んでいた季節の到来です。日差しの暖かい日中は、気持ちよさそうに日向ぼっこをしながらくつろぐ姿が見られます。

 そんなサルたちの中で1頭だけ、この時期を心から喜べないはずの個体がいます。「ツブラメ」という名の22歳のメスです。なぜ喜べないのかというと、この時期になるとツブラメはくしゃみ、鼻水、目のかゆみに悩まされるからなのです。この症状、思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 この時期のこの症状といえば、そう!花粉症です。サルも花粉症になるの?と思われる方も多いかと思います。かく言う私もじつは担当になるまで知りませんでしたが、花粉症はニホンザルやイヌ、ネコ等でも見られる症状なのだそうです。


花粉症に悩む「ツブラメ」


 この写真を見ると、左目が腫れて涙が出ているのがわかると思います。

 私たちは薬を飲んだりマスクをしたりして花粉症を予防することができますが、サルを毎日捕まえて目薬をさすわけにもいきません(その方がストレスになってしまうので)。そのため、サルは目がかゆくなると目をかいてしまい、結膜炎になって腫れてしまうのです。そろそろ花粉のピークと言われていますから、あともう少し、ツブラメには症状がよくなるまで耐え忍んでもらいたいと思います。

 この時期にサル山で大きなくしゃみの音が聞こえたら、それはツブラメかもしれません。

〔井の頭自然文化園飼育展示係 久保田夕紀子〕

(2015年03月20日)


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