先週、2015年1月18日午前中のことです。おととし初めて出産したマーラの「シロチャン」に、ふたたび赤ちゃんが誕生しました(
2013年ニュース)。
前回は、運動場で産み落とされた赤ちゃんの体温が下がって衰弱してしまい、病院に一時収容するという事態になりました。今回はそんなことが起こらないよう、出産予定日の1週間ほど前から、暖房のきいた寝部屋に母親を隔離して出産に備えました。

生後1日目のマーラの赤ちゃん
シロチャンの2度目の子育てはだいぶ落ち着いたようすで、出産当日の昼過ぎには、すっかり体の乾いた赤ちゃんを乳首に誘導しようと横になり、後ろ足を上げる姿も見られました。授乳も無事に確認できて、私たちもほっと胸をなでおろしました。

生後7日目、おっぱいを飲んでいるところ
マーラとおなじテンジクネズミ科に分類されるモルモットは、生まれたその日からサツマイモなどの野菜類を食べ始めます。では、マーラはいつから親とおなじ食べ物を食べ始めるのでしょう?
今回生まれたマーラの赤ちゃんは、生後5日目の朝、母親のために入れておいたマテバシイの硬い葉をチビチビと食べ始めました。そして7日目には、いっちょう前に、母親といっしょに朝食の草食動物用ペレットと乾草を食べ出しました。しかし、母親の夕食であるニンジン、サツマイモなどの野菜類は、匂いはかぎますが、まだ食べようとはしていません。
赤ちゃんは現在、体長30センチ程度ですが、身体の大きさに比べると耳や目などのパーツが大きく、アンバランスな体型です。とりわけ後ろ足が大きくてたくましく、親以上にウサギやシカ、カンガルーに間違えられそうです。
まだしばらくは寝部屋の中での展示となりますが、赤ちゃんのようすを見ながら、暖かい日には徐々に運動場に出そうと考えています。
寒い日が続きますが、マーラの赤ちゃんの可愛らしい姿を目にすれば、心がほっとあたたかくなることうけあいです。ぜひ、会いに来てください。
〔井の頭自然文化園飼育展示係 高松美香子〕
(2015年01月26日)