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アライグマの器用な手先
 └─2015/01/17

 みなさんはアライグマにどんなイメージをお持ちですか? アニメのキャラクターのようにかわいらしいイメージ? 農作物を荒らす凶暴なイメージ?

 アライグマという動物を名前では知っていても、具体的にどんな動物かと聞かれると、答えに窮する方も多いのではないでしょうか?

 アライグマのいちばんの特徴は、なんと言っても手先が器用なことです。指は人間と同じく5本あり、角切りのリンゴなど、小さなものも両前足で器用に持って食べます。


アライグマの指


 この器用な前足を使って、野生のアライグマは、川底にいるザリガニや貝などを手探りで探します。水中のえさを手探りで探す姿が手を洗っているように見えるところから、アライグマと呼ばれるようになりました。

 井の頭自然文化園でも、アライグマが手探りでえさを探す姿が見られます。運動場に出ているアライグマをしばらく観察していると、塩ビ管やちょっとした隙間に手を突っ込んでいることがあります。また、私が掃除をしていると、何かえさはないかと突然長靴の隙間に前足を突っ込んでくることがあり、掃除中も気が抜けません。

 また、不定期ではありますが、運動場でアライグマに給餌器を使ってえさを与えることがあります。前足が入るくらいの穴の開いた木の箱や竹筒から、小さなえさを上手に使い、器用にかき出して食べる姿が観察できます。


給餌器からえさをとるアライグマ

 本格的な冬を迎え一段と寒くなりましたが、来園者が少ないこの時期こそ、動物を自分のペースでじっくり観察するチャンスです。さまざまな動物をご覧いただくとともに、アライグマの前足をじっくり観察するも面白いと思います。寒い季節ですので、ご来園の際は暖かい格好でお越しください。

〔井の頭自然文化園飼育展示係 堀井葉子〕

(2015年01月17日)


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