冬越しをする生き物というと、冬眠中のクマ、秋に埋めた餌を探し回るリスなどを思い浮かべるかもしれません。しかし小さな虫たちも、厳しい冬を越えようと、それぞれの姿で春を迎えるための工夫をしています。
井の頭自然文化園では現在、冬越し中の生き物を正門前広場の展示ケースで展示しています。
正門前広場の展示ケース
なかでも人気なのがマダラマルハヒロズコガの幼虫。ひょうたん型の巣にこもり、移動するときも巣を引きずって木の幹などを移動します。初めて見る人は異口同音に「これ虫なの!?」と興味津々。私たちも嬉しくなるほど注目を浴びています。
マダラマルハヒロズコガ幼虫の巣。中に芋虫形の幼虫がいる
マダラマルハヒロズコガを含め、展示中の虫たちはすべて「いきもの広場」で採集しました。みなさんにとっても身近な場所で生息している生き物たちです。冬に観察できる虫たちは少々地味でマニアックかもしれませんが、多くの魅力や面白さを秘めています。
寒さにさらされない土の中、木の枝や幹や葉、はがしても大丈夫な樹木であれば樹皮の下など、寒い季節ですが、身近な自然の中で虫たちを探してみてください。
〔井の頭自然文化園教育普及係 山口 慶〕
(2015年01月09日)