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オリイオオコウモリの子どもが生まれました
 └─2014/08/15

 井の頭自然文化園の仮設オオコウモリ舎で、2014年7月17日にオリイオオコウモリが1頭生まれました。2013年11月16日に沖縄こどもの国から来園したペアの間に誕生したものです。

 以前から飼育していた別のオスは人懐っこい個体なのですが、メスたちとの相性があまりよくなかったため、今回は繁殖にはいたりませんでした。

 オリイオオコウモリは、沖縄本島とその周辺の島に生息するオオコウモリです。都会でよく見られるアブラコウモリとは異なり、翼を広げると約80センチにもなる大きなコウモリです。アブラコウモリは、エコロケーションといって超音波を出しながら飛び、昆虫に当たって跳ね返ってきた音をたよりに捕食しますが、オオコウモリは超音波を出さず、主に果物や木の葉を食べています。

 生まれた子は全長10センチほどで、雌雄はまだわかりません。常に母親の腹部にしがみついており、母親はその子を両方の翼で抱き抱えるように隠しています。また、夜行性の動物なので、日中はほとんど動かずに天井部分にぶらさがっているので、子を見つけるのはまだ難しいと思います。母親が翼を広げても、子は母親と同じ体毛が生えているため、そのことも見分けを難しくしています。しかし、乳頭が翼と胴体の付け根に近い位置にあるので、時折そこでもぞもぞと動くところが見られるかもしれません。

 みなさんが子を見られるチャンスは夕方にあります。餌を設置し室内を消灯してしばらくすると、餌を食べるために子を抱きかかえまま母親が止まり木におりてくることがあります。必ずではありませんが、翼を広げた瞬間に確認できるかもしれません。

 子が成長すればもっとよく見られると思いますので、しばらくは暖かく見守ってください。

写真上:オリイオオコウモリの親子
写真下:母乳を飲む子

〔井の頭自然文化園飼育展示係 田口眞隆〕

(2014年08月15日)



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