井の頭自然文化園の水生物館で、2012年5月3日と5月5日にカイツブリが1羽ずつ孵化し、現在2羽のひなが育っています。3つ目の卵は残念ながら死ごもり(有精卵で孵化しなかったもの)でした。
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「カイツブリのひなが孵化しました」(2012年05月04日)
このひなたちの両親が子育てをするのは今回5回目ですが、抱卵中からたびたびオスがメスを激しく追いかけ回すという攻撃行動が見られ、ひなが孵化した後も続きました。
ひなが親の背中にいるときにケンカが始まると、ひなが水面に振り落とされてしまいます。また、しばらく巣の上に置き去りにされ、親を捜してなのか、陸の方へよたよたと歩いていく姿を見ることもありました。オス親がひなに気づくとケンカをやめ、ひなの方へ近づき、巣へと誘導するような行動も見られました。
突然始まる激しいケンカもずっと続くわけではなく、再び何事もなかったかのように、ペアでひなに餌を与え始めます。こんな状況なので、親から離れているひなを見ることがこれまでになく多く、無事に育つかとても心配でした。
しかし、孵化から2週間ほど経ち、順調に大きくなってきています。カイツブリのひなの成長はとてもはやく、親鳥の背中から顔を出すひなが見られるのは5月末くらいまでだと思います。ぜひお見逃しなく。
写真:カイツブリの親子
〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 兒玉雅章〕
(2012年05月18日)