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カイツブリのひなが孵化しました
 └─2012/05/04

 2012年5月3日、井の頭自然文化園水生物館でカイツブリが孵化しました。カイツブリのひなは、孵化後すぐに自力で親鳥の背中によじ登り、しばらく親鳥の背中の上で過ごします。うまく育てば、親鳥の背中から顔を出して餌をねだるようすも見られることでしょう。
 
 水生物館のカイツブリは、2009年からこれまでに4回子育てを経験しており、5回目となる今回はもう慣れたもの、と思われますが、ようすがちょっと違うようです。 

 今回孵化したひなは、2012年4月5日から4月11日にかけて産んだ4卵のうちの1個ですが、じつはこの親鳥は2012年3月にも6卵産んでいました。そのうち1卵は3月26日に孵化したのですが、その日のうちに溺死してしまいました。オス親がメス親を激しく追いかけまわし、そのたびに背中から振り落とされたひなが、やがて衰弱してしまったものと考えられます。その後、親鳥は孵化前の卵を残したまま、巣ごと放棄してしまいました。
 
 そして今回再び巣作り、産卵となりましたが、抱卵中もたびたび激しいケンカが見られ、卵から離れていることが多く、無事に孵化するのかとても心配でした。

 今回の4卵のうち、1卵は4月18日に壊れてしまい、現在2卵が残っています。残りの卵も無事に孵化して3羽のひなが順調に育つよう、見守っていきたいと思います。

写真:親鳥の背中から顔を出すひな

〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 児玉雅章〕

(2012年05月04日)



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