梅の花も満開になり、井の頭自然文化園にも春がやってきました。「リスの小径」のニホンリスたちも繁殖のシーズンに入り、子育てをするための準備を始めています。
小径のリスたちをよく見ていると、スギの丸太から皮を剥いだり、手頃な小枝を取ってきたり、なかには地面を歩きまわって拾った材料を両手いっぱい抱えたりしているリスもいます。集めた材料はせっせと巣箱の中に運んで巣材として使われます。
ニホンリスたちは集めた巣材を器用に編みこんで丸い球体状の巣を作りますが、形にも個性があります。上手なリスはとてもきれいな球体を作り、中にいる子どもをきれいに隠してしまいます。なかには野生のリスと同じように、木の枝の間に巣材をうまく絡めて巣を作るものもいます。
野生では背景と同化してなかなか見つけられませんが、「リスの小径」では運がよければ見られるかも知れません。
肝心のリスの子どもですが、先日巣箱の中を確認したところ、今シーズン初の2腹合計5頭の子どもが生まれていました。まだ毛も生えていない状態ですが、母親たちもしっかり子育てをしているようなので、順調に育ってくれると思います。巣箱から顔を出すようになるまではまだ少し時間がかかりますが、子リスたちの成長を楽しみにしていてください。
写真:巣箱の中に確認できたニホンリスの子ども
〔井の頭自然文化園飼育展示係 山口慶〕
(2012年03月30日)
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