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ツシマヤマネコの移動
 └─2010/11/19

 2010年10月にお知らせした井の頭自然文化園のツシマヤマネコの移動は無事に終わり、今回は5つの施設の間で8頭のツシマヤマネコが移動しました(移動の記事はこちら)。

 環境省は、ツシマヤマネコの飼育下繁殖事業を、1999年から福岡市動物園の協力を得て開始し、2000年4月に初めて繁殖に成功しました。
 井の頭自然文化園でも、災害や感染症などに備えた分散飼育に2006年11月から協力し、4頭のツシマヤマネコを飼育してきました。 公開展示施設では、トラジロウ(8歳、オス)が来園者の前に姿を見せ、ツシマヤマネコに関するPRに一役かっています。非公開施設には、エビゾウ(6歳、オス)、リリー(6歳、メス)、サクラ(4歳、メス)の3頭を飼育し、飼育下繁殖を目指してきました。しかし、一昨年から続けているペアリングでは、相性が悪いためかよい結果が残せませんでした。そのためオスの移動をおこなうことになったのです。

 2010年10月13日、福岡市動物園から7歳のオス、対馬野生生物保護センターから3歳のオスが来園しました。福岡から来たオスは性格がおっとりしていて、検疫舎に出しても隠れようとしないので写真撮影をすることができましたが、対馬から来た個体は、逃げるように箱の奥に入ってしまったので撮ることができませんでした。しかし2頭ともすぐに慣れ、餌を与えるときには通路に出て来そうな勢いで待っています。

 2010年10月28日、井の頭で期待の星だったエビゾウが、福岡市動物園に旅立ちました。特にエビゾウは野生保護個体なので、福岡での新たな出会いを通じて繁殖に貢献してほしいと期待しています。福岡市動物園には今回4頭の搬入がありましたが、エビゾウが一番落ち着いていたそうです。

 当園でも早速オス2頭とメス2頭で見合いをさせ、春の繁殖期にそなえる予定です。

 井の頭自然文化園では11月20日と21日に「ヤマネコまつり──ツシマヤマネコを知ろう!」を開催し、新たに来園したオス2頭のヤマネコの名前を募集する予定です。

※「ヤマネコまつり」に関する記事はこちらをごらんください。

写真:福岡市動物園からやってきたオス

〔井の頭自然文化園飼育展示係 佐々木真一〕

(2010年11月19日)



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