井の頭自然文化園では、環境省によるツシマヤマネコの「飼育下繁殖事業」に協力し、2006年度からツシマヤマネコの飼育を開始、現在4頭を飼育しています。
今回、飼育下での繁殖を目的に、ツシマヤマネコを飼育している動物園と対馬野生生物保護センターとの間で、個体の移動をおこなうことが決定しました。
井の頭自然文化園では、2007年に来園したオス「エビゾウ」を福岡市動物園に送り出し、新たにオス2頭が福岡市動物園および対馬野生生物保護センターから来園する予定です。この2頭は今いるメス2頭(リリーとサクラ)とともに非公開施設で飼育します。
ツシマヤマネコは、日本では長崎県対馬だけに生息する動物です。生息環境の悪化や餌となる生物の減少、交通事故死などで数が減り、現在野生では80~110頭しかいないと推定されています。ツシマヤマネコを保全するため、これまで環境省が保護増殖事業を計画し、対馬野生生物保護センターや国内5か所の動物園で飼育下繁殖に取り組んできました。
今回の移動は、環境省九州地方環境事務所が定めた「平成22~23年度ツシマヤマネコ飼育下個体群繁殖計画」にもとづき、積極的に繁殖計画を進め、将来を見すえた飼育下個体群を確立するために飼育施設どうしが連携しておこないます。井の頭自然文化園でも新たな個体を迎えて、飼育下繁殖に取り組んでいきたいと思います。
◎移動日
・搬入 平成22年10月13日(水)
・搬出 平成22年10月28日(木)
◎井の頭自然文化園に来園する個体
オス 2003年5月14日生まれ 福岡市動物園から来園
オス 2007年5月9日生まれ 対馬野生生物保護センターから来園
◎井の頭自然文化園から送り出す個体(エビゾウ)
オス 2004年12月6日保護 福岡市動物園
※関連ニュース
動画「
ツシマヤマネコ、井の頭に来園」(2006年11月19日撮影)
動画「
ツシマヤマネコ公開」(2007年10月20日撮影)
ニュース「
ツシマヤマネコの近況」(2008年05月30日)
写真:新たに来園する予定のオス
(対馬野生生物保護センター提供)
(2010年10月08日)