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ジャイアントパンダ「シャンシャン」とニシゴリラ「リキ」の成長くらべ
 └─上野 2021/06/12
 2017年6月12日、ジャイアントパンダのシャンシャン(メス)が誕生しました。あれから4年、シャンシャンは大きな病気やケガをすることなく元気に成長し、すっかりおとなの姿になりました。4歳でおとなというのは、人間からするとずいぶん早いと感じるかもしれません。しかし、生まれ方や成長の速度は動物によってそれぞれ違います。小さくて弱い赤ちゃんが生き残れるよう、それぞれの動物の生き方に合わせて進化してきたのです。

 今日は同じ2017年生まれのニシゴリラのリキと成長を比べてみましょう。くらべることで、きっとまた新たな発見があるかもしれません。

生まれた直後
シャンシャン(ジャイアントパンダ)、2017年6月12日生まれ(メス)
 クマのなかまは巣穴の中で出産します。敵に襲われる心配が少なく、出産後もすぐに動く必要がないために、子どもは小さく生まれます。中でもジャイアントパンダの子はとくに小さく、シャンシャンは約150gで生まれました。これはシンシン(約120kg)のわずか約800分の1です。野生では、母親は自分だけでひっそりと出産します。シンシンも、飼育係が見守る中ではありますが、自力でしっかりとシャンシャンを出産しました。


リキ(ニシゴリラ)、2017年10月9日生まれ(オス)
 ゴリラは出産のための巣は作りません。日々移動して生活しているため母親に支えられながらですが、新生児のうちから母親にしがみつくことができるくらいの筋力を持って生まれてきます。リキも、生まれた直後からしっかりとモモコにしがみついていました。体重は約2kg、これは母親の50分の1くらいに相当します。ゴリラは群れでくらす動物で、出産もその中でおこないます。リキが生まれたときは、出産に気づいた群れのなかまがすぐに母親モモコのもとへ駆け寄ってきました。


成長過程
シャンシャン(ジャイアントパンダ)
 母親とだけ関わって育ちますが、成長するにつれだんだんと母親との触れ合いが減っていきます。1歳半ごろになると母親とじゃれあうなどの行動を見せるのは、1日に1時間程度となりました。シンシンも自分が食べることを優先したり、授乳もすぐに受け入れなかったり途中で切り上げたりすることが多くなり、以前のような子育て優先ではなくなってきているようすが見られました。そして2018年12月10日、シャンシャンはりっぱにひとり立ちを成功させました。


リキ(ニシゴリラ)
 母親だけでなく、群れの仲間と関わって育ちます。姉のコモモやモモカ、父親のハオコと遊んでいる姿もよく見られます。おとなになるにつれて少しずつ群れのルールを覚えていきます。3歳でも母親と一緒にいます。


4歳
 シャンシャン(ジャイアントパンダ)
 おとなの姿に成長しました。最新の体重は約90kg。母親のシンシンは約120kgですが、シンシンは大き目のパンダ。90㎏はもうメスならおとなといってよいサイズです。体の大きさだけでなく、よく食べてよく寝る、おとなのジャイアントパンダらしい行動になりました。


リキ(ニシゴリラ)
 まだお尻には、こどもの印である白い毛が生えています。最新の体重は約37kg、父親のハオコの約200kgと比べるとまだずっと小さいことがよくわかります。遊んでいる姿や母親の乳を吸っている姿など、まだまだ幼い行動が見られます。メスは10年、オスは15年ほどかけておとなに成長していきます。


動画で見るシャンシャンとリキの成長くらべ
 動物の子は厳しい自然の中で生き残れるよう、生まれ方や育ち方が種により異なります。くらべることで、きっとあらたな発見があるかもしれません。動画でどうぞ。



ウンコの成長くらべ動画
 2017年に生まれた「リキ」と「シャンシャン」、そして2020年に生まれたアジアゾウ「アルン」の成長を、誕生日には欠かせない「あるもの」を使ってくらべます。



 いかがでしたか? 動物によって、子どもの生まれ方や成長のしかたは異なります。ジャイアントパンダは「小さく生まれて大きく育つ」というユニークな特性をもった動物です。あれだけ小さかったシャンシャンも今日で4歳になりました。これからはシャンシャンが次の世代を担う1頭になってくれることでしょう。

(2021年06月12日)



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