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ライチョウの卵を木曽駒ケ岳へ移送し、環境省に提供しました
 └─上野 2020/06/05

 上野動物園は公益社団法人日本動物園水族館協会の加盟園館として、環境省の取り組むライチョウ生息域外保全事業に2015年度から参加し、ライチョウの飼育に取り組んでいます。

 このたび、環境省と日本動物園水族館協会が進めるライチョウ保護増殖事業の一環として、当園で飼育しているライチョウが生んだ卵を2020年6月3日に中央アルプスの木曽駒ヶ岳まで移送しましたので、お知らせします。

 今回移送したのは、2020年5月29日と6月2日に産まれた2個の卵です。

 当園生まれのメス(血統登録番号:N27)と、この個体とペアにするために富山市ファミリーパーク(富山県)から来園したオス(血統登録番号:N14)から生まれました(来園についてはこちら)。


5月29日と6月2日に生まれた卵

当園生まれのメス(N27)
ペアのオス(N14)

 飼育スタッフの手により携帯用恒温器(温度を一定に保ちながら卵を運ぶ装置)におさめられた卵は、6月3日の朝に当園を出発し、同日の午後に無事、長野県で環境省スタッフに提供しました。

 今後は木曽駒ケ岳に単独で生息している野生のメス1羽の巣を調査し、対象のメスが無精卵を産卵していた場合は、ライチョウを飼育している国内各地の飼育園館から集めた有精の可能性のある卵8個(当園2個、那須どうぶつ王国<栃木県>3個、いしかわ動物園<石川県>2個、市立大町山岳博物館<長野県>1個)と交換する予定です。

 今回、野生のメスに抱かせた卵が無事に孵化・育成した場合、飼育卵から産まれたライチョウが野生に戻る初めての例となります。ライチョウ保護増殖事業推進の大きな一歩として、今後の経過に大きな期待を寄せています。


携帯用恒温器におさめられた卵


【動画】卵を乗せて上野動物園を出発するようす
(撮影日:2020年6月3日)

◎参考:環境省報道発表資料
 「中央アルプスにおけるライチョウの飼育卵野生復帰事業」に飼育卵を提供いただいた関係機関の情報と今後の実施予定について(2020年6月5日)

(2020年06月05日)


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